ランサムウェア攻撃を受けた際に、他の業界と比べてデータが暗号化される割合が最も高く、 復旧に最も長い時間がかかっている教育機関

9月 21, 2022 —

次世代サイバーセキュリティのグローバルリーダー企業であるソフォス株式会社(東京都港区 代表取締役 中西 智行)は、本日、新しい業界別の調査レポート「教育機関におけるランサムウェアの現状2022年版」を公開しました。この調査結果では、高等教育機関および中等教育機関を含む教育機関においてランサムウェアの被害を受けるケースが増えており、2020年には44%であった割合が2021年には60%に増加しています。他の業界(平均値は65%)に比べて、教育機関ではデータが暗号化される割合最も高く(73%)、復旧に最も時間がかかっています。教育機関の7%が復旧するまでに3ヶ月以上を要しており、他の業界ほぼ2倍の時間を要しています(4%)。

上記以外にも以下の事が報告されています。

  • 教育機関は、他の業界と比較して、ランサムウェア攻撃による業務および商業上の影響を受ける傾向が最も高いことを報告して います。高等教育機関の回答者の97%および初等教育機関の回答者の94%が、攻撃によって業務遂行能力が影響を受けた回答し、さらに民間の高等教育機関の96%および初等教育機関の92%が業務への影響と収益の損失を報告しています。
  • 身代金を支払った後に暗号化されたデータをすべて復元できた教育機関はわずか2%であり、2020年の4%から減少しています。また、教育機関が身代金を支払った後に、暗号化されたデータを復元できたデータの割合は平均で62%であり、2020年の68%から減少しています。
  • 特に高等教育機関では、ランサムウェア攻撃の影響から復旧するために最も時間がかかることが報告されており、40%が復旧に1ヶ月以上かかると回答し(他の業界では20%)、9%が3~6ヶ月を要すると報告していました。

ソフォスの主任リサーチサイエンティストのChester Wisniewskiは、次のように述べています。「ランサムウェアの被害を最も大きく受けているのは教育機関です。これらの組織は、サイバーセキュリティの防御が不十分であり、個人データを多く抱えていることから、攻撃者の格好の標的になっています。教育機関は、進行中の攻撃を検出する可能性が他の業界よりも低いことから、攻撃が成功しデータが暗号化される確率が高くなっています。暗号化されたデータが学生や生徒の機密情報である可能性が高いことから、攻撃による影響は一般的な他の業界が経験するものよりもはるかに大きくなります。身代金を払ってデータの一部を復元できたとしても、攻撃者がどのようなデータを返してくるか予測することはできません。攻撃者がデータを戻した場合でも、被害が拡大している恐れがあり、被害を受けた教育機関にはさらに高額な復旧費用が圧し掛かり、倒産などの結果を招く場合もあります。残念ながら、ランサムウェア攻撃は無くなることはありません。そのため、暗号化される前に、攻撃を特定し、その影響を軽減するようにランサムウェア対策を優先的に実施するしかありません」

興味深いことに、ランサムウェアの被害請求に対するサイバー保険の支払率は教育機関で最も高いことが報告されています(高等教育機関で100%、初等教育機関で99%)。しかし、教育機関全体で見ると、ランサムウェアに対応するサイバー保険の加入率は最も低くなっています(全業界平均では83%ですが、教育機関は78%)。

先述のWisniewskiは次のように述べています。「教育機関の40%が、保険を提供する保険会社が少なくなったと回答し、半数近く(49%)が補償を受けるために必要なサイバーセキュリティ対策のレベルが上がったと報告しています。サイバー保険会社は顧客を選別するようになっており、教育機関は保険に加入するための高い基準を満たすための支援を必要としています。教育機関は、限られた予算の中で、信頼できるセキュリティ専門家と緊密に連携し、最高のセキュリティ成果を実現し、保険基準を満たす適切なソリューションに投資していることを確認しなければなりません」

今回の調査結果からソフォスの専門家は、あらゆる業界のすべての組織に対して、以下のベストプラクティスを推奨しています。

  • 自社環境のあらゆる場所で高品質な保護機能を導入して最新の状態で維持してください。セキュリティ管理を定期的に見直し、組織の要件の変化にも応えるようにしてください。
  • サイバー犯罪者が攻撃を実行する前に阻止できるように脅威ハンティングを実施してください。社内のチームに時間やスキルがない場合は、MDR (Managed Detection and Response) チームにこの脅威ハンティング業務をアウトソースできます。
  • パッチが適用されていないデバイス、保護されていないコンピュータ、外部に公開されているRDPポートなどの重要なセキュリティギャップを探し出して、問題を解決し、自社環境を強化してくださいXDR(Extended Detection and Response)は、このような目的に最適なソリューションのソリューションです。
  • 最悪の事態を想定し、そのような最悪のシナリオに対応できる最新のプランを用意してください。
  • バックアップを作成し、バックアップからデータを復元する訓練を行っていると、被害の影響を最小化して、復旧までの時間を短縮できます。

「教育機関におけるランサムウェアの現状2022年版」の調査は、世界31カ国の中堅規模(従業員数100~5,000)の教育機関のITプロフェッショナル5,600名(初等教育機関の回答者320人と高等教育機関の回答者410人を含む)を対象に実施されました。

その他の参考情報

ソフォスについて

ソフォスは、MDR (Managed Detection and Response) サービス、インシデント対応サービス、およびエンドポイント、ネットワーク、メール、クラウド セキュリティ テクノロジーの幅広いポートフォリオなど、サイバー攻撃を阻止する高度なセキュリティソリューションを提供する世界的なリーダーであり、革新的な企業です。ソフォスは、最大手のサイバーセキュリティ専門プロバイダーの 1つであり、全世界で 60万以上の組織と 1億人以上のユーザーを、アクティブな攻撃者、ランサムウェア、フィッシング、マルウェアなどから保護しています。ソフォスのサービスと製品は、Sophos Central 管理コンソールを介して接続され、企業のクロスドメイン脅威インテリジェンスユニットである Sophos X-Ops を利用しています。Sophos X-Ops のインテリジェンスは、Sophos ACE (Adaptive Cybersecurity Ecosystem) 全体を最適化します。このエコシステムには、お客様、パートナー、開発者、その他のサイバーセキュリティおよび情報技術ベンダーが利用できる豊富なオープン API セットを活用する一元化されたデータレイクが含まれます。ソフォスは、フルマネージド型のソリューションを必要とする組織に、Cyber​​security-as-a-Service を提供します。お客様は、ソフォスのセキュリティ運用プラットフォームを使用してサイバーセキュリティを直接管理することも、脅威ハンティングや修復などソフォスのサービスを使用して社内チームを補完するハイブリッドアプローチを採用することもできます。ソフォスは、リセラーパートナー、MSP (マネージド サービス プロバイダ) を通じて販売しています。ソフォス本社は英国オックスフォードにあります。詳細については www.sophos.com をご覧ください。